小児矯正とは?
小学生や中学生で、永久歯が生え揃っていない時期に行います。
成長や永久歯の萌出に対する障害などを取り除くために行う矯正治療です。
お父さんお母さんが気づきにくい問題が隠れている場合があるかもしれませんので、まずはご相談ください。
小児矯正と成人矯正のちがい
小児矯正と成人矯正の一番の違いは成長期に矯正を行えることにより、骨の変形や異常成長を直せるために顔の形が自然になりやすい点です。
出来れば成長が止まる小学2-3年生までに治療を行うと出っ歯や受け口を目立ちにくく自然な顔立ちに出来ます。
小児矯正のメリット・デメリット
メリット
- アゴの成長をある程度コントロールできるので、見た目が自然で良い治療結果が得られやすい。
- 矯正期間中は1~2ヶ月おきに歯科医院へ通う必要があるので、その時についでに虫歯の予防をしてもらえば非常に効率的に虫歯予防ができる。
- 医療費控除の対象になる。
デメリット
- 小児矯正はほとんどの場合、アゴの骨の成長が終わる15歳前後まで経過を観察する必要があるため、矯正期間が長くなることが多い。
- 小児矯正を行っても、大人になってから再度矯正が必要になることがある。
- 患者さん本人が治療に協力的でない場合には良い治療結果が出にくくなる。
- 矯正中は基本的に虫歯になりやすくなるので、注意深く歯のケアを行わないと虫歯が出来てしまう恐れがある。
小児矯正治療費
歯並びチェックテスト
あなたのお子さん歯並び大丈夫?
あなたのお子さんの歯は、将来矯正が必要になりそうでしょうか。ここで予想してみましょう!
1〜16の項目をYes/Noで答えましょう。
- おもに母乳で育てた Yes +1/No 0
- 離乳食は手作り中心で、色んな食材を使った Yes +1/No -1
- 早寝早起きである Yes +2/No -1
- 食欲がない、または食欲にムラがある Yes -2/No +1
- お菓子やジュースをちょこちょこ食べる Yes -1/No +1
- 毎日、外遊びを十分にしている Yes +1/No -1
- 食事の時、姿勢を正しく保っている Yes +1/No -1
- 三度三度の食事の時、数種類の野菜を食べている Yes +2/No -2
- 食べ物の好き嫌いが多いほうだ Yes -1/No +1
- 食事の時テレビを見ている Yes -1/No +1
- 猫背、または姿勢が悪い Yes -1/No +1
- 指しゃぶり、爪やおもちゃをかむくせがある Yes -2/No +2
- 下唇をなめたり、舌をペロペロ出すくせがある Yes -1/No +1
- 口呼吸をしている。よく口が開いている Yes -2/No +2
- 親が受け口、出っ歯である Yes -2/No 0
- 子供の乳歯の前歯上下12本のすべての歯の間に「すき間」がある Yes +3/No a-2,b-3
(Noの場合aくっついている/bデコボコしている)
診断結果
合計はいくつになりましたか?
+21〜+10
歯並びのよい子に育つ可能性が大きいです。
でも油断は禁物。歯並びのよくなる生活をしましょう!
+9〜ー5
これからの過ごし方が歯並びを左右します。
−6〜ー22
歯並びが悪くなる恐れがあります。日常生活を見直しましょう。
歯並びや噛み合わせが悪い原因について
1.遺伝
子供の顔や体格が親に似るのと同様に、歯並びについても親からの遺伝を受ける場合があります。
2.虫歯や歯周病
虫歯や歯周病によって歯を失うと、その両側の歯が次第に移動したり傾いてきたりします。
また、これは永久歯のみならず乳歯についても同じことがいえます。
乳歯だから、といって虫歯を放置したりすると、その下にある永久歯も影響を受けて、歯並びが乱れる原因となります。
3.生活習慣
最近よく言われるように食事の欧米化によって、柔らかい食事が増え咬む回数が減り、顎が充分に発達せずに顎の骨の大きさに対して歯が大きくなり歯並びがでこぼこになるケースがあります。
また、幼児期の指しゃぶりが上下の前歯にすきまが出来たり出っ歯の原因となる場合もあります。
4.病気等
生まれた時から歯の本数が足りない場合や、アレルギー性鼻炎等によって鼻呼吸が出来ずに口呼吸をすることによって歯並びが悪くなる場合もあります。
歯並びや噛み合わせが悪い代表的な6つをご紹介します
乱ぐい歯、八重歯
歯の大きさや数に対して、顎の骨が小さく、歯が並ぶ充分なスペースが足りなかったりして、歯がでこぼこに生えている状態のことです。
判断される基準は、歯がたがいに4分の1以上重なり合うものとされています。
出っ歯
上顎が成長しすぎ、または、下顎が上顎と比べて奥に引っ込んでいる状態のことで、出っ歯と判断される基準は、上の前歯が下の前歯より8㎜以上出ているものとされています。
有名なタレントさんにもいらっしゃいますが、日本人は比較的出っ歯の方が多いようです。
下顎が前に突き出る受け口、しゃくれ
骨格的に下顎が大きい状態のことです。受け口と判断される基準は、3本以上の歯が上下反対のかみ合わせになっているものとされています。
上下の前歯が、前後逆に噛んでいる「反対咬合」になることもあります。
奥歯でしっかり噛んでも上下の前歯にすき間がある
判断される基準は、奥歯を咬んだ時に上下の前歯が6㎜以上空隙が出来るものとされています。
このかみ合わせは歯並びによるものと骨格によるものとに分かれ、原因は、幼年期に指しゃぶりが長く続いていたこと等が原因になることもあります。
上の歯が下の前歯に深く覆いかぶさっている
上の前歯が下の前歯が見えないほどにかぶさっているものです。
ものをうまく噛み切ることが出来ず顎の関節に負担がかかってしまうことがあります。
左右いずれかの奥歯または前歯が横にずれている
上下の奥歯が横にずれている噛み合わせ。上下の前歯の中心線もずれている。
『食育』で強い歯育て
私たちの食生活は、インスタント食品や加工食品が豊富で、好きなものだけ食べることが当たり前になり、過食や拒食、食品アレルギーなど多くの問題が発生しています。
「食育」は、そうした時代の風潮を見直し「子供に正しい食生活」を身につけさせていこうという考え方です。
欧米ではすでに子供たちの健全な発育を促す目的で「食に関する教育」を行っています。
歯の健康維持は、虫歯や歯周病の予防だけではありません。お口の機能がしっかり発達し、好き嫌いなく食べ、味への感受性も豊かな子供を育てることも大切なことです。
食事は小さいときほど家庭の果たす役割が大きい分野です。両親はじめ周囲の大人が協力して頑張れば、丈夫な強い歯の子供が育ちます。
歯によい食事の基本は、栄養のバランスがとれていることです。
骨や筋肉の成長に必要な栄養をとるために、「1日30品目」を目標にしましょう。
食品の中には子供が苦手なものも多くありますが、調理法を工夫するなどして好き嫌いなく食べる習慣を身につけさせるようにしましょう。
「おふくろ」の味は、賢い献立の基本です。おから、かきあげ、サンマの塩焼き、大豆の五目煮、イモの煮っこがし、酢の物、キンピラゴボウがその代表的なもの。
伝統的な日本の家庭料理の良さが最近見直されていますが、野菜やタンパク質の豊富なこれらの献立は歯を育てる効果も大きいのです。
噛むことの大切さ
よく噛むこと、特に奥歯本来の役割であるすり潰しながら噛む運動を行うことで、唾液やホルモンの分泌を促進し、脳への血流を促進します。
また、すり潰しながら噛む事はあごの筋肉だけでなく、首の筋肉も使うため、頭をしっかり支え、正しい姿勢をつくることにも効果的です。
なお、噛むときは正しい姿勢で口を閉じて噛む習慣をつけましょう。
「一口30回」など噛む回数だけでなく「噛み方」の質が歯・顎の成長、ひいてはきれいな歯並びには大切だったのです。
最近のお子さんの噛み方は、口をあけてクチャクチャ食べる噛み方が非常に多くなっています。
これはマナーの面でも美しいものではありません。ではどうしてこのような噛み方になってしまったのでしょうか?
昔の人は硬い食べ物や繊維性のものをよく食べていました。
硬いものを食べる時の噛み方は歯を上下+水平に動かし、食べ物をすり潰す噛み方をしていました。
しかし、最近は軟らかいものしか食べなくなった影響で、歯を上下にしか動かさず、すり潰す噛み方をしなくなってしまい、クチャクチャ食べる噛み方のお子さんが非常に多いのです。
元々歯は舌側に寝た状態で生えてきますが、すり潰す噛み方が歯を直立にし、歯がきれいに並んでいきます。
しかしクチャクチャ食べる噛み方では、すり潰す歯の運動が少ないために、歯が直立しにくく、舌側に歯が倒れたままになり、歯並びが悪くなる可能性が高くなります。
硬いものを食べることと正しい噛み方を覚えることが歯並びのためにはとっても大切です。
子供の虫歯とおやつ
乳歯は永久歯と比べると、柔らかい歯です。更に甘いものを口にする機会が多く、お腹がすいて食べる機会も多くなりがちです。
子供の口の中は、虫歯になる条件がそろっています。
子供におやつを与えるときは、時間を決めて与えましょう。
もちろん「食べたら磨く」ことも忘れず教えてください。
保育園児に虫歯が少ないと言われますが、それは食事やおやつの時間が規則正しく、しかも食後に歯磨きをしているからです。
おやつはケジメが大切といえます。
モグモグ、カミカミおやつは良いおやつ
- 1回の食べる量を決めて食べましょう。
- 甘さがいつまでも残る飴はやめましょう。
- あごを使ってよく噛むおやつを食べましょう。
(脳の発達を促し、バランスのよいきれいな顔をつくります。) - 歯にくっつきやすい食品はできるだけ避けましょう。
- 食べたあとは「歯磨きタイム」を忘れずに!
歯並びが悪くならないように予防が期待できる/ガムで噛むトレーニング
ガムによる噛むトレーニングは噛み方改善による顎の発達に効果があり、成長期のお子さんの並びが悪くならないように予防する効果が期待できます。
また、このことは矯正治療において、抜歯による治療を避ける事にもつながる大切なポイントです。
つまり、噛むトレーニングは歯並びの改善に有効です。
よく噛む食事が健康の秘訣!
現代の1回の食事中に噛む回数は、昔の半分
70年前の戦前の食事時間の平均は22分、その時の噛む回数は1420回ということです。
ところが最近では、食事時間は11分で、620回しか噛んでいないということです。
昔の食事は、今はやりの純和風。雑穀米やいも、根菜類、干物などの乾燥した硬い物が多く食べられていました。
昔の人はよく噛まないと消化できない食事なので、あごをよく動かしていたのです。
よく噛むことと、虫歯の予防!
よく”噛む”人は健康と言われます。では噛むことからいったいどのような効果が得られるのでしょう?。
よく噛むことで食べ物を細かく噛み砕き、だ液と混ぜ合わせることによって「消化を助ける」のはもちろんですが、だ液がたくさん出ることによって「虫歯を予防」する効果があるのです。
だ液には”虫歯菌を殺菌する力”と虫歯菌が作る”酸を薄める力”があるのです。
よく噛んで、だ液がたくさん出る子どもには、虫歯が起きにくいのです。
よく噛むと、歯並びがよくなる!
噛むことで”あごが大きく”なります。
最近の子どもさんは、やわらかい食事をとることが多いので、あごの発達が弱く、ほっそりしたあごが目立ちます。
そのため、大人の歯の入るすき間が不足してしまいます。乳歯が、すき間なく、きれいに並んでいるようでは、すき間不足です。
大きい大人の歯が生えてくると、デコボコな歯並びになってしまうのは想像できますよね。
今日からでも遅くはありません。よく噛む習慣を身につけましょう。
よく噛むと、ストレスが発散する!
赤ちゃんがおっぱいを吸うのは、栄養をもらうほかに、安心感を得る役割があると言われいます。
同じような効果が”噛む”ことでも得られます。
テレビで野球選手などが、試合中にガムを噛んでいる姿を見たことはありませんか?
物を”噛む”と、脳みそに血が多く流れ、脳に溜まったストレス物質を取り去り、体の緊張をやわらげて、ストレスを発散するのに役立ちます。
また、あごの運動が筋肉の刺激となって脳に伝わって、脳の働きを活性化してくれます。
”気持ちが安定”して、”頭の回転も良くなる”。噛むことは、すごい効能がありますね。
よく噛むことで、肥満予防!
大食い、早食いの子どもは肥満になりやすい。
噛む回数が少ないと、脳の中で「おなかがいっぱいになったよ!」「もう食べるのをやめよう!」と指令を出す前に、次から次に必要以上に食べてしまうことになります。
ゆっくりよく噛んで食事をとれば、脳が考える時間の余裕ができ、体にとって必要な量だけで満腹感が出ます。
毎回の食事によく噛む食品を加えることで、必要以上のカロリーを取らなくてもすむように工夫していきましょう。
噛まない子 VS 噛めない子
最近、の子供さんは噛まないと言われていますが、実際は噛めない子どもさんが増えてきていると言われています。
保育園の給食などで子どもたちの食べるようすを観察してみると、”あっという間に(噛まずに)食べ終わってしまう子”がいる一方、”時間内に食べられない子””口の中に食べ物をいつまでもためている子”と、じつにさまざまです。
でも、しっかり噛んでいないことでは、同じです。
噛むことが苦手な子どもさんが増えているます。
料理に噛む食品を!
子どもさんが、よく”噛む”ことを身につけるために、”噛みごたえのある食べ物”を料理やおやつにたくさん入れていく必要があります。
ところで、噛む必要のある食べ物にはどんなものが思い浮かびますか?
魚介類 | 煮干、小魚、するめ、桜えび、こんぶ、わかめ、貝、干物 |
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根菜類 | たけのこ、ごぼう、れんこん、にんじん、大根 |
葉物野菜 | ほうれんそう、小松菜、春菊 |
果物 | りんご、なし |
いも・豆類 | 干しいも、大豆、いんげん豆、枝豆 |
乾物 | かんぴょう、切り干し大根、高野豆腐 |
ナッツ類 | ピーナッツ、アーモンド、くるみ、ごま |
おやつでも噛めば噛むほど味がある!
噛む食べ物の中には、おやつとして使える食品があります。
するめや煮干を、子どもさんにおやつとして出してみてはいかがですか?
あぶったするめや、煮干をすこし炒めて香ばしすると食べやすくなります。
枝豆やとうもろこしの茹でたて、りんごやなしなどの果物。大学芋や干しいももいいですね。
おやつを工夫しながら、健康的に噛む機会を増やして行きましょう。